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『FF16』評価・クリア後レビュー【つまらないと言われた点の解説&項目別に評価】

FF16 評価 レビュー ひどい

※記事には一部アフィリエイト広告が含まれることがあります。

今回2023年最大の注目作ともいえる『FF16(FFⅩⅥ)』をクリアしたので、世間の評価や実際の感想について細かくお伝えしていきます!

PS5独占タイトルということもあり、販売本数は歴代作品と比べると伸び悩みましたが、これは果たして大作としてどのように評価されているのか気になって購入できない人も多いかもしれません。

また、検索していると「大失敗!がっかり、期待外れ」など、ひどい評価が並んでいるのを見かけるのではないでしょうか。そこで、実際にクリアまでプレイしたゲーム苦手な筆者目線でどうだったか正直にレビューしていきます!

この記事はこんな人におすすめ!
  • 『FF16』がなんでつまらない、ひどいと言われているのか知りたい!
  • 悪い評価も知ったうえで実際にプレイした人はどう思ったか知りたい!
  • 世間的に見た評価が実際にどうなのかを知りたい!
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目次

『FF16』の総合評価&感想:90点「ストーリ―を楽しみたい大人に向けたPS5の性能を活かした作品」

『FF16』を総合的に評価してまとめるなら、「大人が最大限楽しめるストーリーに重きを置いたFF」といえるでしょう。

何をもってFFらしさというかは難しい問題ではありますが、筆者としては「召喚獣」というFFならではの要素を新しい形で描いており、この内容には多くの感動が詰め込まれていると感じています

この後詳しくご紹介しますが「どんな人でも必ずストーリーをしっかりと楽しんでもらおう」というような制作者の意気込みが感じられる作品です。

また、本作ではロード時間がほぼなく、戦闘もイベントもノンストップで展開されるのが没入感を高めています。映像やグラフィック、ロード時間などを踏まえ、PS5でなければできないクオリティの作品と断言します。

育成要素が少ない点や移動など、残念な点はいくつかあるかもしれませんが、PS5だからこそできたゲーム体験として評価してもよいのではないでしょうか。

『FF16』が受け入れられない人の特徴

FF16 評価 レビュー 受け入れられない人
FF16がひどい・つまらないと受け入れられない人
  • 従来のFF作品からFFはこうあるべき!と強く思っている人
  • ターン制のバトルが楽しみたい人
  • 育成要素のあるRPGがしたい人
  • 誰でも楽しめるようなライトなテーマの作品がしたい人
  • 戦争や国家権力などのテーマが苦手な人

『FF16』を神ゲーと思えそうな人の特徴

FF16 評価 レビュー おすすめな人
FF16が神ゲー・及第点と思えそうなおすすめの人
  • PS5ならではの美麗なグラフィックを最大限楽しみたい人
  • 心揺さぶられるような感動体験がしたい人
  • 人の生死も含めたリアルな描写が楽しめる人
  • とにかく作品のストーリ―を重視したい人
  • JRPGが好きな人

『FF16』2023年8月時点の最新販売本数や世間的評価

FF16 評価 レビュー 世間評価

『FF16』の2023年8月時点での販売本数や、海外評価についてまずは見ていきましょう。この見出しの内容を要約すると以下のとおりです。

この見出しのまとめ
  • 初週販売本数:全世界売上300万本、国内33万本
  • 2023年8月時点の国内販売本数:41万本
  • 販売本数が少ない理由:PS5自体の普及率の低さが最大の原因
  • 販売本数としての評価:普及率で考えると十分な販売本数であり世間に認められた作品

販売本数

国内と海外それぞれの販売本数について調べました!

FF16 評価 レビュー 販売本数
ファミ通公式ページ

日本国内の販売本数は、ファミ通が毎週売上本数を集計しています。ファミ通による集計期間8月20日までの販売本数は約41万本です。
出典:ファミ通「ゲームソフト販売本数ランキング」
(集計期間:2023年8月14日~2023年8月20日)

発売当初の発売本数は、公式サイトがニュースとして掲載しています!その内容は「全世界初週売上300万本、国内売上33万本」の販売を達成したというものです。大々的に発表されていたため、有名な話かもしれませんね。
出典:スクエアエニックスニュースリリース「PlayStation5専売タイトル『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)』全世界累計販売本数が300万本を突破

海外評価(メタスコア)

次に、海外での評価についてです。海外評価で一番参考になるのは、「メタクリティック」という評価コンテンツになります。

ゲームや映画、音楽やテレビ番組など、あらゆるものを評価しているWebメディア。メディア内では「メタスコア」と呼ばれる独自の点数を付けており、ゲームの場合は75~100点が緑色で表示されており、良ゲー、神ゲーと判断できる。評価を付けているのはこのメディアが独自にしているのではなく、世界中の雑誌・サイトのレビューを総合的に数値化しているもので、信ぴょう性が高い指標とされている。

FF16 評価 レビュー メタクリティックスコア メタスコア FF16
メタクリティック公式サイト

『FF16』のメタスコアは「87点」です。

ちなみに2023年8月時点のPS5ランキングでは10位にランクイン。上位には『バイオハザードRE:4』(93点)や『ストリートファイター6』(92点)などが並んでいます。2023年のPS5発売タイトルが145タイトルが並んでいる中での結果であるため、海外評価は低くないといえますね!

最新のランキングを確認したい人はこちらからどうぞ!

本数が名作ゲームに比べて販売本数が少ない理由

FF16 評価 レビュー 販売本数少ない理由

歴代のFFと比べると、『FF16』の販売本数は少ないとされています。歴代では初日500万本を売り上げたとされる『FFXV』に比べると初週300万本は少ないと見られても仕方ありません。
参考:IGN「「ファイナルファンタジーXV」初日出荷本数が500万本を突破

しかし、販売本数の少なさはPS5自体の普及率の低さが原因と考えられます。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以降、SIEと表記)が7月27日にPS5の販売台数が4,000万台を販売したとの発表があった通り、PS4に比べると普及数は半分も満たしていません。

比較してみると、PS4現在の販売台数は2022年9月時点で11,350万台以上とのこと。PS上で最も売れたPS2であれば15,500万台以上なのですから、歴代機種との差は歴然といえます。
参考:SIE「ビジネス経緯「ハードウェア関連」」

普及率が低かった原因は別でまとめてますので、気になる人はこちらをご覧ください!

PS5販売台数から見ると十分多い販売本数

PS5の出荷数が不足していましたが、現在の販売台数から比較すると実に13人に1人が購入していたことになります。

メディア各社としても、販売台数をふまえると決して悪くはないセールス結果ではあると評価しています。

『FF16』がつまらないと言われているところとは?

FF16 評価 レビュー つまらない

『FF16』について調べてみると、残念ながら否定的な意見も目立ちます。そこで、どのような点がつまらないと言われているのかについて調べてみました。

実際にプレイしてみてどう感じたかも付け加えますので、参考にしてください。

FF16がつまらない・批判的な意見まとめ
  • ムービーの多さ
  • 戦闘の単調さがつまらない
  • 画面が終始暗くグラフィックが勿体ない
  • ストーリーがつまらない、途中で中だるみ、失速する
  • RPG要素が少ない

ムービーの多さ

ムービーが多くて嫌。ちょっと動かしたらすぐムービーとかつまんない!

戦闘するとムービー、移動するとムービーなど、ムービーの頻度が多いことに対しての否定的な意見です。

この点は、ストーリーをメインとしている昨今のゲームであればよくあることです。特にPS5など映像美などのおかげでムービーでもストーリーを十分に伝えられる媒体から発売される以上、観ることは多くなるかもしれません。

スクエアエニックス作品の傾向でもあり、実際、『キングダムハーツ3』も同様の批判内容がありました。

ムービーは確かに多いかもしれません。ですが、フルボイスであり、終始動きがあるため、筆者としてはむしろ作品の没入感を高めることにつながっていると感じ、全く気になりませんでした

戦闘の単調さがつまらない

戦闘が単調でつまらない!属性がないから戦略性がなくなったし一辺倒に殴るだけ。アビリティも3つしか付けられないしで本当に退屈!

「戦闘が単調になる」という意見もあります。ターン制ではなくなり、属性もなくなったことから戦略性がなくなったとのことです。戦闘に関しては、相手の属性を考えて有効な手段を選ぶことは確かになくなっています。

しかし、それが単調につながったとは感じませんでした。主人公は次々と召喚獣の能力を獲得していくのですが、召喚獣の能力はいずれも異なった特徴が多く、セットする3つのアビリティのどれを選ぶかによって大きく戦略も変わります

単調だという意見の中には、「アビリティーが3つしか使えない」との意見も多く見られましたが、批判をしている人は「マスター化」機能を知らない人が多いのではないかと思われます。

FF16 評価 レビュー マスター化
中央部にある召喚獣のボタン振り分けに色が混ざっているのはマスター化した効果

このマスター化とは、召喚獣の能力を極限まで高めることで、ほかの召喚獣のアビリティを設定している時にも能力を使えるようになる仕様です。マスター化により、各召喚獣固有の超必殺技と基本技以外の技は併用できるようになります。

筆者的には、超必殺技と基本技を起点に考えるのが楽しかったです。

ただし、アクション苦手な人向けの補助機能を使うことにより、少し単調になってしまう傾向はあります。また、モンスターの総数もそこまで多くはないかもしれません。この点については、後でお伝えします。

画面が終始暗くグラフィックが勿体ない

画面が暗くてとにかく見づらい!敵と背景の見分けもつかない!折角のきれいなグラフィックが台無し!

『FF16』のこの批評については、FFの従来作品と比較した話ではないかと思われます。確かに終始暗い雰囲気はあり、全体的に照明も暗めにはなっています。特に夜や薄暗いダンジョンなどはほぼ何も見えません。

FF16 評価 レビュー 暗い
実際のダンジョン内画像

ただ、目的地は常に表示されるため、進行には差し支えません。内容も終始絶望に満ちた救いの全くない物語かというとそんなことはなく、人々が希望、生きることに向かって必死に足掻く姿が描かれています。

また、折角のグラフィックが薄暗さによって台無し、悪いとの批判的意見もあるようですが、筆者はそれも感じていません。

暗い照明はありますが、その分炎や雷などのエフェクトが鮮明になります。加えて、召喚獣バトルや、砂漠、岩や水の質感など、魅せられる部分は沢山あります

グラフィックが気になる人は、購入前に体験版をプレイしてみるとよいでしょう。体験版部分は夜のシーンも多く、ダンジョンも薄暗くなっています。体験版でストレスを感じるのであれば、本編開始後でも少し気になるかもしれません。

ストーリーがつまらない、途中で中だるみ、失速する

序盤から話が飛んでいて感情移入できない!○○から急激に面白味がなくなる。途中でちょっとつまらなくなる。

『FF16』は、体験版の少年期から青年期に移り変わる時、間の物語がほぼありません。前提として、少年期は青年期の主人公の回想のように表現されています。そのために感情移入ができずに始まるとの意見があります。

また、とある王国で起こる召喚獣バトルの後からは急激に駆け足になると感じる人もいるようです。あわせて、最終的にはFFらしい王道のストーリーになることから流れが読めてしまい、つまらないと感じるようです。

最初に言っておくと、この意見については筆者は全く感じていません。もちろん終始盛り上がり続けていたわけではありませんが、緩急がついていただけのように思います。あえて言うと、山場に向かって準備している、次への動きを静かに表現している、といったところでしょうか。

話の流れ的に不要なものはなかったと思いますし、気になるほどではありませんでした。また、別に何かをすっ飛ばして強引に進行しているとも思いませんでした。

また、否定的な意見の人はサブストーリーをしていない傾向も見られます。ですが、本作ではサブストーリーでキャラクターの深掘りをしているので、サブストーリーをしないとストーリーの面白さは半減するでしょう。

RPG要素が少ない

キャラクターを育成したり成長させたりなどの要素がない!こんなのはRPGとは呼べない!

RPG要素の少なさについては、筆者も同じ意見ではあります。『FF16』では武器や育成要素がアビリティへのスキルポイント割り振りくらいしかなく、戦闘についてじっくり考えるというものも一切なく、直感的なアクション要素がかなり強いです。

ただ、RPGって何?と改めて考えるとこのように説明されています。

「RPG」は、一般的には、「ロールプレイングゲーム」を指す言葉として使用される。「Role Playing Game」を略して、「RPG」となる。ロールプレイングゲームは、プレイヤーが何らかの役割(ロール)を与えられ、プレイしていくゲームジャンルである。

引用元:weblio辞書「RPG」より抜粋

つまり、『FF16』を「アクションRPG」として捉えれば、何も間違っていません。主人公は役割を得て、ヴァリスゼアを救うために戦うのですから。

また、RPGについての批判は、”このタイトルはこう!”のような固定概念があると必ず起こるものではないでしょうか。現に他作品の『龍が如く7』では、アクションからRPGへの移行を原因に同様のことが起こっていました。

ただ、純粋に楽しめた筆者からすると「ストーリーを楽しむことに特化しており、それ以外の無駄な要素はあえて削ぎ落としている」印象でした。

『FF16』の各項目別評価&レビュー

ここからは、筆者がプレイした感想を元に、各項目ごとに分けて感想をお伝えしていきます。まず、各項目ごとの評価をまとめると以下の通りです。

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項目評価ひと言コメント
ストーリー★★★★★展開が予想できない数十年にわたる壮大な物語
声優★★★★★×2モブキャラまで一切の違和感のないキャスティング
戦闘システム★★★★☆戦闘パートによって評価が分かれる
RPG・やり込み要素★★☆☆☆ほぼ一本道、リスキーモブ倒しくらい
2周目周回プレイ★★★☆☆クリア後解放のモードは高難易度で楽しみたい人向け
システム面★★★★☆ストーリー関連は〇、一部気になる
音楽・BGM★★★★★シーンに合った壮大な曲&米津さんメインテーマのマッチ具合

各項目についての評価の根拠は、〇~×で補足して記載しています。気になる部分を確認してみてください!

ストーリー:★5<展開が予想できない壮大な物語>

FF16 評価 レビュー ストーリー ★5
ストーリー評価のポイント
  • 〇:作りこまれた世界観と召喚獣の融合
  • 〇:FF16の根幹を支えている「制作陣のキャラクターへの愛情」
  • 〇:サブストーリーで世界観や情勢の変化を深掘り
  • △:サブストーリーのクエスト内容自体はお使いが基本のワンパターン
  • 〇:「完全大人向けでありながら王道」ともいえるFFらしさ

筆者の『FF16』の評価は、ストーリーは満点といえます。つまらない点にも書いた通り、ストーリー以外で気になる点はあるものの、ストーリー自体に関しては悪い意味で気になった点は全くありません

展開が予測できなかったし、ストーリーを盛り上げるビジュアルやBGMも相まってラスト以外にも複数回は感動で泣きました。

ストーリーが良いと感じた理由は、この後詳しく説明していきます。

また、本作のレビュー記事を見ていると体験版で終わっているものも多くありますが、筆者としては大変勿体ないと言わざるを得ません。体験版は本当に序章であり、体験版以降にあっと驚くような展開が待ち受けています。

序盤から終盤まで目まぐるしい展開が続き、そしてラストには多分誰もが涙するような結末が待っています。ぜひ、体験版以降もやってほしいです!

〇:作りこまれた世界観と召喚獣の融合

FF16 評価 レビュー 召喚獣

『FF16』は1年や 2年で完結する単純な物語ではありません。プレイヤーは主人公クライヴとして、数十年にわたってヴァリスゼアの歴史を追体験します。ヴァリスゼアはいくつかの国が集合した広大な土地を有する世界です。『FF16』では、ヴァリスゼアの中でも虐げられる人々「ベアラー」と、世界を支える「クリスタルの加護」の謎を解き明かしていきます。

各勢力の中でも、召喚獣の力を行使できるものが「ドミナント」と呼ばれています。 ドミナントは召喚獣の姿を顕現できたり、固有の能力を人間の姿のままでも行使できたりする存在です。

広い国土内では領地争いがあり、勢力・情勢の変化があります。国の変化にFFの特徴である召喚獣を新しい捉え方として絡め、見事な人間ドラマとして再現しているのが『FF16』の特徴です。

〇:FF16の根幹を支えている「制作陣のキャラクターへの愛情」

FF16 評価 レビュー キャラクターへの愛情
主人公パーティのシドが娘に書いたお手紙

ストーリーの没入感を高めているのは、PS5ならではの美麗なグラフィックだけではありません。どうせPS5のスペック任せでグラフィック押しだけの中身が薄いゲームと考えているなら、大きな間違いです。

筆者が最もストーリーの没入感を高めていると感じたのは、何よりも制作陣のキャラクターに対しての愛情です。いずれのキャラもバックボーンがしっかりとあり、細かい表現や、各キャラクターのセリフ選びも秀逸でした。

名前のないようなモブキャラを含めてどのキャラも大変魅力的なため、感情移入がしやすくなっていると感じました。特に最後の方のサブクエストでは、各サブキャラクターの深掘りがされているので、クエストクリアすることで愛情が増します

〇:サブストーリーで世界観や情勢の変化を深掘り

FF16 評価 レビュー サブクエスト

『FF16』をさらに魅力的にしているのは、サブクエストです。話の内容をうまく物語と絡めていると思います

「なぜこれをやっているのかわからない」ようなサブストーリーは、見方によっては物語のボリュームをかさまししているだけではないかと考えてしまいますよね。しかし、『FF16』ではそのようなことは全くありません。

『FF16』のサブクエストでは、ヴァリスゼアに生きる人々がどのように現状に立ち向かっているのか、どのような思いを持って主人公と関わっているのか、どのような生い立ちなのかなど、そのキャラクターをより魅力的にするようなサブストーリーばかりです。

そのため、SNSなどのクリア後ツイートを見ても「必ずサブストーリーもやってほしい」という意見が多くあります

△:サブストーリーのクエスト内容自体はお使いが基本のワンパターン

キャラクターを深掘りするのにストーリー自体は練られているのですが、行動はかなりワンパターンな印象です。大体の流れは、クライヴが困っている人のところへ行き、モンスターを倒すか会話をすることにより問題を解決します。

後述する移動関連のストレスも相まってお使い感が強まっていました。内容が良いのですが、お使い続きが嫌で避ける人もいるため、もう少し工夫が欲しかったと感じる点です。

〇:「完全大人向けでありながら王道」ともいえるFFらしさ

『FF16』は、従来の老若男女誰もがプレイできたようなFFからすると、17歳以上に対象を限定したことで完全に大人向けにシフトした作品といえます。

本作の中では多くの死が描かれており、国家勢力の争いの悲惨さを物語っています。しかし逆にいえば、それだけしっかりとリアリティのある描写がされた作品とも捉えられるでしょう。

ほかにも性的描写、裸体も多く登場し、BL表現などもあり、かなり色んな意味で切り込んだ内容が描かれています。

また、大人向けのリアリティがありながらも本質は王道といえるかもしれません。JRPGの良いところをいくつも感じました

声優:★10評価<モブキャラまで一切の違和感のないキャスティング>

FF16 評価 レビュー 声優 キャスティング
声優評価のポイント
  • 〇:全キャラ口パクや表情が日本語と合ってないのをカバーする演技力が素晴らしい

『FF16』のストーリーを最も楽しめるようにしている要因は、声優のキャスティングの成功だと思っています。筆者は声優好きなのですが、どの声優に対しても全く妥協なく選び抜いたと感じられるような名演技の声優さんばかりです!

街中で声をかけてくるようなモブキャラにもキャラクターがしっかりと備わっており、見た目と違和感のある声は一切ありませんでした。

主要声優についても、最新作に出演しているような人気声優ばかりを揃えています!

〇:全キャラ口パクや表情が日本語と合ってないのをカバーする演技力が素晴らしい

『FF16』は多くの言語に対応しており、キャラクターの口の動きは日本語にあっていません。しかし、それを感じさせないような素晴らしい演技力で見事にカバーしています。

口パクや表情が少しあっていないことも全く気にならないような熱演が見られます。

戦闘システム:★4評価<概ね良いけど気になるところもちらほら>

FF16 評価 レビュー 戦闘システム ★4
戦闘システム評価のポイント
  • 『FF16』最大の分かれ目<属性が「ない」戦闘について>
  • 〇か△:通常戦闘<救済措置があるので誰でもクリア可能…だけど…>
  • 〇か△:召喚獣バトル<PS5スペックをフルに活かした大迫力バトルだけど長い!>

戦闘システムについては、通常戦闘と召喚獣バトルがあります。筆者としてはどちらも全く楽しめないわけではないのですが、おそらく評価が分かれる要素はいくつかあると思います。

FFの当たり前の1つであった属性攻撃がなくなったことを含め、各戦闘パートについてお伝えします。

ただし、筆者はアクションがあまり得意ではありません。アクションが得意な人からすると、また違った評価になるはずです。このことを前提においてご覧ください。

『FF16』最大の分かれ目<属性が「ない」戦闘について>

前評判で知り、筆者が最も不安だと思っていたのは属性が無い戦闘システムです。

実際のところ戦闘に属性の要素はなく、相手の攻撃に対して属性で合わせて攻撃をすると弱点をつけるお決まりのシステムは本作にはありません。

ただし、属性がない代わりに属性をビジュアル的に表現したような技が多くあります。物語が進行するにつれ、主人公もそういった必殺技やスキルは多く使えるようになるため、最終的には戦闘に属性がないことについては何も気になりませんでした。

◯か△:通常戦闘<救済措置があるので誰でもクリア可能…だけど…>

FF16 評価 レビュー 通常戦闘

死にゲーなどはあまりしない筆者ですが、アクションに必要な要素は一通り揃っていたように感じます。ジャスト回避による攻撃チャンス、派手な必殺技など、特に不足な点はありませんでした。

筆者の中で少し気になったのは、救済措置と敵の体力についてです。

まず救済措置については、セットすることでアクションが容易になるものの戦闘の面白さは半減します。具体的には、『FF16』ではアクションが苦手な人でも戦闘が楽しめるように補助アイテムが多くあります。補助のレベルは以下から選択が可能です。

FF16に登場するアクセサリ補助による効果
  • 勝手に回避するもの
  • 回避のタイミングになるとスロー演出になるもの
  • 相棒のトルガルが攻撃する指示を自動でしてくれるもの

トルガルへの指示は攻撃とは別にボタン操作が必要なため、この点がオートになるだけでも助かります。

筆者は死にゲーなどは全くできないようなアクション苦手な人だったため、回避のタイミングになるとスロー演出になるものをつけていました。ただし、これを付けることにより戦闘が単純になります。避けるタイミングが分かるようになるため、機械的な戦闘になる印象はありました。

戦闘を楽しみたいのであれば、回避補助のアクセサリ(補助アイテム)の使用はおすすめしません。アクセサリはいつでも着脱できますので、慣れてきてやり応えを求め始めたら外しましょう。

次に、敵にも気になる点があります。演出は異なるものの、攻撃のパターン的には同じようなものが多い印象ではありました。加えて、モンスターの体力が全体的に高いため、サクサクと倒せるわけではありません

とはいえ、イベント戦闘以外は面倒であれば基本的に避けられます。また、アビリティを即座に切り替えることにより独自の組み合わせによるコンボが稼げるため、熟練者であれば組み合わせを探すことに夢中になり、気になっていない人も多い印象です。

〇か△:召喚獣バトル<PS5スペックをフルに活かした大迫力バトルだけど長い!>

FF16 評価 レビュー 召喚獣バトル

『FF16』で最もPS5の素晴らしさを感じたのは、召喚獣同士による大迫力のバトルです。とにかく演出がとても派手で、回避をするのにもボタン一発押すだけなのに何か壮大なことをしているかのような演出が入ります(笑)

QTEと呼ばれるムービー中のアクションもあるのですが、ボタンの連打などは召喚獣が何かを貯めるときや攻撃を受けている時など、臨場感あるような操作となっていました。

QTEが無駄だというような意見もありましたが、筆者の中ではそのキャラクターと一緒になって楽しめる演出だったので、そこまで退屈さは感じませんでした。

ただし、1点だけ気になったのは召喚獣との戦闘の1回の長さです。FFといえば十八番ではありますが、形態変化しての再戦、ステージを変えての戦闘がどの召喚獣バトルにも基本的にあります。

さらに前後には大体ムービーも入るため、筆者はとある召喚獣との戦闘が大迫力で凄かったので動画に収めようと思い録画していたのですが、敵と遭遇、会話してから敵を倒して戦闘が終了するまでの一連のイベント終了までに50分近く経過していました。

RPG・やり込み要素:★2評価<ほぼ一本道、リスキーモブ倒しくらい>

FF16 評価 レビュー やり込み:RPG要素 ★2

『FF16』について少し残念だと感じるかもしれない点を伝えておくと、やり込み要素があまりない点といえるでしょう。本作で存在する戦闘以外でのやり込み要素はリスキーモブ倒し、思い出の品探しくらいです。

たとえば、ミニゲームのコンプリートなどやり込み要素の豊富な『龍が如く』などと比べるとほぼやりこみ要素はないといえるでしょう。

また、本作はストーリーを楽しんでもらおうと感じていることが伝わってくるような、一本道のマップとなっています。探索要素もほぼ無いため、探索要素が欲しかったと感じているようなユーザーはこの点について酷評しているように思います。

2周目以降の周回:★2評価<クリア後解放のモードは高難易度で楽しみたい人向け>

FF16 評価 レビュー 2周目 ★2

2周目をプレイする楽しさがあるゲームも多い中、『FF16』では2周目プレイについてはファイナルファンタジーモードの解放がメインとなっており、そこまで多くの要素が増えるわけではありません

筆者は戦闘をそこまで重視したプレイスタイルではないため、2周目についてはあまり魅力には感じませんでした。

「強くてニューゲーム」?

ゲームクリア後のセーブを使って「つよくてニューゲーム」(正式記載名称)ができます。これまでに獲得したアビリティや装備品レベルなどを全て引き継ぎ、より強い状態でプレイを始めることが可能です。

この際に追加される「ファイナルファンタジーモード」を始めると、最初からになるのですが、明らかにクリア時の適正レベルが最低レベルとして始まっていました。

『FF16』の戦闘は、全部のアビリティがそろってから楽しさが倍増します。また、ストーリーは大変壮大であるため、戦闘は楽しみつつもう一度ストーリーがどういったものだったのか振り返りたいといった方にはぴったりといえるでしょう。

システム面:★4評価<何がなんでもストーリーに付いてこさせようとする工夫>

FF16 評価 レビュー システム:★4
システム面評価のポイント
  • 〇:重要用語や人物がすぐに見れる「アクティブロア」や「勢力図」など複雑でも理解しやすい仕組み
  • 〇:ダンジョン攻略中も含めどこでもセーブできるのはありがたい
  • △:フォトモードが分かりにくい+機能少ない
  • ×:移動速度やフィールド移動に難がある

システム面では、シナリオに関わるような徹底したサポートがある一方で、それ以外の部分については少し気になる点があるように感じます。

〇:重要用語や人物がすぐに見れる「アクティブロア」や「勢力図」など複雑でも理解しやすい仕組み

『FF16』は世界観がしっかりと構築されているために難しい用語も多く、またストーリーが長期にわたって展開されているため、”このキャラって誰だっけ?今どこにいて誰と戦っていたっけ?”となることが結構あります。

そのような時に、会話やイベント中でも開ける「アクティブロア」という機能がとても役立ちました!アクティブロアは、関係のある用語や人物の解説がいつでも見れる機能です。

また、本作にはいつでも人物相関図や各勢力の状況の解説が確認できるなど、ストーリーを理解させようとするシステムがそろっています

こういったサポートがあるのもあり、難解なストーリーながらもストレスなく入り込めました!

〇:ダンジョン攻略中も含めどこでもセーブできるのはありがたい

『FF16』ではセーブができないと言ったようなモヤモヤ感は一切ありませんでした。セーブポイントを問わず、ダンジョン攻略中でもセーブができるため途中で切り上げることもしやすかったです。

△:フォトモードが分かりにくい+機能少ない

『FF16』はとても美麗なグラフィックで終始描かれているため、フォトを撮りたくなります。もちろんフォトモードは実装されています。しかし、本編の中ではやり方は解説されていません。自分で見つける必要がありました。

『FF16』ゲーム内でのフォトモードのやり方

スタートボタンを押した後のメニュー内で、上部メニュー項目を「ステータス」にすると左下にフォトモードのメッセージが表示される。画像の通り、タッチパッドを押すとフォトモードが起動できます。
※ただし、「ステータス」以外のメニューでは左下が表示されません!

写真では「おまかせ装備」の部分が上部が「ステータス」だと「フォトモード」になる

また、同じようにグラフィックを売りにしている『ゴーストオブツシマ』のような彩色変更・スタンプ・配色替えなど、充実したフォトモードと比べると、選べる内容もかなり少ないです。美麗なグラフィックを加工して収めたいのにもったいないと感じることはあります。

×:移動速度やフィールド移動に難がある

FF16 評価 レビュー システム面 ★4

神ゲーとする人でも不満にあげていたのが、移動速度の遅さについてです。筆者も全くの同意見であり、とにかく街内での移動がとても遅いのが気になりました、

外に出るとチョコボに乗れたり、主人公もダッシュしたりするのですが、このダッシュのスピードを街の中でも普通に出せるようにしてほしかったとは感じています。

また、『FF16』はストーリーが進行すると拠点が広大になります。アジト内でのサブクエスト受注などもあるため、マップ内を移動する頻度は多いです。しかし、街やアジト内に転移機能がなく、遅い速度で結構走り回る必要があります

せめてアジト内のイベント受注を多くするエリアへのジャンプ程度は備えて欲しかったです。

音楽・BGM:★5評価<シーンに合った壮大な曲&米津さんメインテーマのマッチ具合>

FF16 評価 レビュー  音楽・BGM ★5
音楽・BGM評価のポイント
  • 〇:シーンを盛り上げる音楽
  • 〇:歌詞がぴったりなテーマ「月を見ていた」

音楽関係については、何も文句の付け所はありません。シーンにあったBGMがきちんと挿入されています。

テーマ曲の楽曲についても”米津さんって色んな主題歌を手掛けているもののFFに合うのか?”と購入前は考えていましたが、ラストに流れるシーンととてもマッチしていました!

〇:シーンを盛り上げる音楽

大迫力の戦闘には、戦闘に合わせて壮大さ・激しさが増していくBGMが挿入されています。召喚獣バトルは特に山場となるシーンがあるのですが、音楽も山場にはコーラスや音楽の厚みが増し、画面に負けない迫力を演出してくれます。

逆にもの悲しさを感じる廃村や悲しいシーンでは、それに合った静かな音楽となっており、本作のストーリーの没入感を深めるのに大きな役割を果たしていると感じました。

よく聞く主人公パーティがレベルの上がった時のお馴染みの音楽にも注目です。なんと、ここもコーラスになっており、ストーリーを理解してから歌詞の意味を辿ると考察が広がります!(日本語ではないため、聞き取れません。気になる方は調べてみてください)

〇:歌詞がぴったりなテーマ「月を見ていた」

FF16 評価 レビュー 月を見ていた

メインテーマである「月を見ていた」は、流れるシーンと相まって涙を増長させます。

歌詞には色んな視点が含まれているような表現が散りばめられており、作品とシンクロさせることに定評のある米津玄師さんだからこそできた曲だったと感じます。

歌詞は抽象的ではあるのですが、見るとラストが想像できてしまうかもしれません。プレイした後に歌詞を見ると、また違った発見があります。

そのため、ぜひ、筆者的には歌詞カードはプレイ後に見て欲しいです!

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『『FF16』』 のクリア後評価&レビューまとめ

FF16 評価 レビュー まとめ
『FF16』の評価・レビューまとめ
  • 『FF16』の総合評価は90点
  • つまらない、ひどいと言われているのは「画面の暗さ」「RPG・育成要素の少なさ」が大きい
  • 従来のターン制RPGや育成要素などをFFらしさとしており、受け入れられない人はいる
  • 販売本数が少ないのはPS5の販売台数が影響
  • 『FF16』はストーリーをPS5の性能を活かして楽しみたい人には絶対おすすめの作品
  • 気になるのは「サブクエストのおつかい」と「移動速度の遅さ」
  • サブクエストの内容や戦闘、グラフィックなどその他要素は文句なし!

『FF16』は、PS5の性能の可能性を感じる作品です。筆者はPS5初購入後にはじめてプレイした作品となりましたが、この作品で良かったと心から感じました

FFらしさを重視する人などからの批判的な意見も目立ちますが、まずは制作陣がPS5を活かして新しく行った試みを楽しんで欲しいです。否定的な意見はごく一部の人だけの感想であり、筆者をはじめとして多くの人は『FF16』に感動していることをこの記事を通じて少しでもわかっていただければと考えています。

PS5は発売当時に認識されていた「購入できない機体」から、流通数も安定して「購入するか迷う機体」に変わっています。筆者が多くの良体験が得られたと実感していますので、PS5を持っていないから考えられない人にもこの機会に検討してみてほしいです。

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