約5年ぶりのシリーズ新作となった『テイルズオブアライズ』ですが、この度無事にトロコンしましたので、プレイしてみた感想と評価を項目を分けてお伝えします!
ストーリーや戦闘などの要素ごとに見出しを作っていますので、気になるところからご覧ください。サブクエストや2週目といったやり込みについても言及していますが、ネタバレは無しでお届けします。
ちなみに筆者のテイルズ歴はPS版『デスティニー』からで、家庭用で発売されたオリジナル作品は何らかのハードで全てプレイ済みです。
【関連】《テイルズオブベルセリア》ネタバレ無しクリア後レビュー★良いところ&気になるところとは?
『テイルズオブアライズ』総合評価

いきなり総評を書いてしまいますが、今作はかなりの面白さでした。久しぶりの新作ということもあり、プレイ前はシリーズの良さが失われていないか不安もあったのですが、杞憂でした。筆者の中ではシリーズでも上位に位置する満足感です。
近年におけるテイルズオブシリーズはユーザーの評価も徐々に落ちている感があり、発売ペースも鈍っていましたが、ここに来て完全復活と言ってもいい出来ではないでしょうか。
ただそんな中でも、ここはキャラクターの描写が不足していると思う部分や、シリーズの華とも言えるやり込み要素が物足りなかったなどの不満もありましたので、それぞれの要素を個別に評価していきます。
発売日 | 2021年9月9日 |
公式ジャンル名 | 心の黎明を告げるRPG |
クリア時間目安 | 50時間 |
トロコン難易度 | 易しめ(シリーズでは過去一番楽) |
アニメーション制作 | ufotable |
過去シリーズと比較しての評価 | ★5つがMAX |
シナリオ | ★★★★☆ |
キャラクター | ★★★☆☆ |
戦闘 | ★★★★★ |
システム | ★★★★☆ |
寄り道・やり込み要素 | ★★★★☆ |
その他 | ★★★★☆ |
↑PS5版のほうが今だけ1000円近く実はお値段が下がってお得です!他にもDLC特典付きもさまざまあるので、気になる方は以下からまとめてチェックしてみてくださいね♪
『テイルズオブアライズ』個別評価・感想
上でも述べた通り、全体で見れば大満足の結果だった『アライズ』ですが、個別評価ではあえて厳しい部分も入れながら記載します。
プレイ時間やトロコン難易度など【感想】

まずは筆者のプレイ内容ですが、このゲームのクリア時間は約50時間、トロコンまでのプレイ時間は約70時間でした。戦闘の難易度は終始「ノーマル」で通しています。
クリアまでのボリュームは割と多いように感じました。かと言ってダラダラ長いということも無く、楽しいまま走り抜けられたというイメージです。
クリアからトロコンまでは非常に楽でした。「やり込み要素・2週目」の見出しでも詳しく書きますが、時限要素が無くトロフィーの取り逃がしも発生しないため、2週目に行くこと無くトロコン可能です。条件も割と緩いので過去のシリーズと比べても難易度が低くなっています。
シナリオ【★4つの評価の理由は分かりやすさ】
全体的なストーリーの流れは極めて分かりやすいです。序盤に世界観を説明された時点でおおよその展開が予想出来るレベルなので、分かりやすくて良いと思う方もいれば、意外性が無く単調と感じる方もいるかもしれません。
最初は自分たちの住んでいる国の話が中心ですが、中盤以降は星の話へとシフトしていきます。このあたりまで来るとスケールが段々と壮大になっていくのですが、最後は話が大きくなりすぎて持て余した感もありました。筆者的には中盤から終盤に差し掛かる辺りの盛り上がりが一番好きです。
メインストーリーは全体的にシリアスな展開が多く、パーティの仲が深まっていない序盤は特に雰囲気が暗めとなっています。ただ、仲間が揃った後の展開や、合間に挟まるスキットなどは明るいものも多いため、全体的に見れば気になるレベルではありませんでした。
キャラクター【★3つの辛口評価の理由】
テイルズシリーズの最大の魅力ともいえるキャラクターについて、今回は★3つと少し低めになりました。この理由は、パーティー側、敵側それぞれに深掘りが足りない、個性が薄いなど、少し残念と感じる部分があったからです。
それぞれについて、詳しくご説明します。
パーティキャラクター【パーティ―のバランスは良いけど…】
今作は6人パーティとなっており、シリーズでは人数がやや少ない部類です。
人数が少ない分各自にスポットライトが当たっているのは良かったですが、それでもあまり個性のあるキャラクターがいなかった印象でした。
そう思った理由ですが、まずパーティの中でボケ・ツッコミ役が明確ではありません。主人公のアルウィンは激辛好き、ヒロインのシオンは大食いなど、それぞれいじられるポイントが決まっていて、会話によって役割が入れ替わるイメージです。
加えてムードメーカーがいないので、誰か1人が落ち込むと他のメンバーが入れ違いでサポートに入るといった展開で、キャラクターごとの立ち位置が定まっていない気がしました。
それでもパーティ全体で見ると非常にバランスが取れていて、特に互いの親密度が高まってくる中盤以降の雰囲気はとても良かったです。誰か1人をと言うよりはパーティ全員を応援したくなる作品でした。
敵キャラクター【テイルズ恒例の完全懲悪ではない部分が弱い】
敵キャラクターは明らかに掘り下げが足りなかった気がします。ほとんどのキャラクターは、「ただ自分の利益を求めただけの敵対者」で終わってしまいました。
一応、倒した後になって「実はそこまで悪い人じゃない」エピソードが見られるのですが、せっかくなら倒す前に片鱗だけでも見せてほしかったです。
正直パーティキャラより個性派揃いで性格の違いは良く出ていたのですが、戦っているときに敵側の正義が感じられなかったのは残念でした。
ボスキャラには歴代シリーズの声優さんを使っていて迫力はたっぷりだったので、なおさらもったいなかったです。
戦闘【★5つの評価の理由は爽快感】

戦闘はシリーズ平均よりやや難しく、難易度ノーマルだとボタン連打では勝てないでしょう。
自分よりレベルの低い相手からは経験値が入りにくい仕様となっておりレベル上げもしづらいので、苦手な方は大人しく難易度を下げたほうが良いです。
また、今までのシリーズとは違う部分も多いので、経験者でも最初は戸惑うと思います。
- 回避・カウンターが重要
- ザコ戦はコンボ重視、ボス戦は威力重視の戦い方が有効
- 回復アイテムのグミの値段が異様に高いので温存が必要
このあたりのコツが掴めだすと、だいぶ戦闘が楽になりました。慣れてくれば爽快感がうなぎ登りなので、序盤を乗り切れるかどうかがポイントになりそうです。
ちなみに、味方キャラのAIは敵の攻撃をほとんど避けてくれないので、大振りで攻撃力の高いボスと戦う時はややストレスでした。一方、回復術のタイミングは割と的確なので、全体で見れば味方に腹を立てる場面はそこまで多くなかったです。
システム【★4つ評価の理由は過不足なさと新要素】
常に新しい要素が登場するテイルズシリーズのシステム面ですが、今回はシリーズ定番の「スキット機能」と成長システムを含めた他システム面の2つの方向から細かく評価していきます。
特にこれまでとは仕様が違うスキット機能については要注目です。
スキット【今作ならではの工夫が見える】

シリーズ恒例の会話システムである「スキット」ですが、今作はマンガのコマ割りのようになっていて見た目でも楽しめました。
3人以上が参加するものも多くて雰囲気が賑やかでしたし、表情や動きも細かったのでキャラクターごとの感情も分かりやすかったです。
作りが凝っているせいか1つ1つのスキットが長いので、人によっては連続で見ると飽きるかもしれませんが、個人的には好きな演出でした。
システム周り

システム面は無難にまとまっている印象でした。
まず、筆者はProではない通常のPS4でプレイしていましたが、ロード時間は全く気にならなかったです。
技・術やスキルの習得はメニューの「スキルパネル」でおこなわれ、バトルやクエストクリアで得たポイントを使うのですが、使ってもあまり強くなった実感が感じられなかったです。今作はレベルアップの成長による恩恵が一番大きく、相対的にスキルの有用性が低かった印象がありました。
武器の作成にはモンスターが落とす素材が必要になりますが、「初めて行くマップでは9割方敵を倒す」ぐらいの感覚で、必要な素材はほぼ集まりました。戦闘を避けがちな方は後になって苦労するかもしれません。
宿屋やキャンプで作れる料理は、ステータスアップなどの効果があり恩恵が割と大きいのですが、効果時間が決まっている上にボス前にキャンプ場所が無いことも多く、管理がやや面倒でした。
BGM・グラフィック【その他ポイントの評価】
システム面と付随するBGMとグラフィックについても細かく見ていきます。今回気になったグラフィック面での評価には特に注目。少し辛口評価になっている部分もあります。
BGM
楽曲を担当したのは、シリーズファンにはおなじみの桜庭統氏です。
特に戦闘曲は良くも悪くもいつもの桜庭節という感じのノリの良い曲なので、意外性はありませんが安定しています。
また、シリーズで初めてフルオーケストラの録音を採用していただけあり、重厚感のある曲が多く、気合の入り方はいつにも増して高いことがうかがえました。
グラフィック

グラフィックは通常のPS4でも十分キレイな印象です。
背景は国ごとの特色が出ていてそれぞれが美しかったですし、キャラクターの表情も細かく表現されていて、確実に前作より進歩していることを感じられました。
ただ、大きい街に入ったときなどに読み込みが遅れることもありましたので、気になる方はPS4ProやPS5を用意した方が良いでしょう。
一方、アニメのムービーパートは違和感がありました。制作は以前からシリーズを担当しているufotableなのですが、顔の雰囲気も普段と違う気がしますし、作画や動きのクオリティもこれまでより明らかに下がっていた印象です。同じく購入した他のユーザーもアニメのクオリティには苦言を呈しているのが目立ちました。
ゲーム中のモーションを使ったムービーは素晴らしかったので、これなら今後アニメパートは無くしても良いかもしれません。
サブクエスト・寄り道要素【★4つの評価は満足感とバランスの良さ】

サブクエストはモンスター討伐・素材集め・お使い系が多く、RPGではよくある標準的なラインナップとなっています。
クエストクリア後にはパーティ内でスキットなどの会話が見られるものもありますが、終盤はメインシナリオに入れても良さそうな重要スキットも挿入されて、満足度は高かったです。
また、サブクエストにも時限要素は一切無いため安心してプレイ出来ますが、引き受けた時点ではほぼ倒せないような強さの敵もよく出てくるので、注意が必要でした。特に今作はお金と回復アイテムが不足しやすいので、討伐クエストで無理をし過ぎると後々苦しくなるケースが多かったです。
その他、ミニゲームとして用意されている釣りは、定番ですがまずまずハマりました。シリーズ恒例の闘技場(修練場)もあるので、本編以外でも楽しめる要素は満載です。
やり込み要素・2週目【★4つ評価だけどやり過ぎると…】

クリア後には新規クエストや隠しダンジョンが追加されます。隠しダンジョンを使えばレベルもMAXの100まで楽に上げられるので、キャラ育成が一気に進みました。
嬉しかったのは、クリア後のクエストや隠しダンジョンでもボイス付きのイベントがあったことです。キャラクターの成長が感じられる描写がしっかり入っているので、これからやる方にはぜひそこまでプレイして欲しいと思います。
上でも書きましたが今作は時限要素が無いので、トロフィーの取得に関連するアイテム収集・エネミーリスト・サブクエスト・スキットなどを取り逃がす心配はありません。1週で全てをやり切ってしまうと難易度を上げる以外に楽しみ方が無くなってしまうのが玉にキズでした。
もちろんシリーズ恒例の「2週目への引き継ぎ」はありますので、あえて1週目は寄り道せず2週目に残しておくプレイスタイルも有りだと思います。
テイルズオブアライズ感想・評価まとめ
最後に感想・評価のポイントを振り返ります。
- プレイ時間の目安はクリアまでに50時間、トロコンまでに70時間
- 時限要素は無い上、2週目に行かなくてもトロコンは可能
- シナリオは分かりやすく、特に序盤はシリアス展開多め
- キャラクター1人1人よりもパーティ全体を応援したくなる
- 敵サイドにはほとんど共感出来なかった
- スキットは1つ1つ長めだがマンガのコマ割りのように楽しめる
- 戦闘はシリーズでも難しい方だが、慣れれば爽快感バツグン
- システム周りやBGMは「いつものテイルズ」といった感じ
- アニメパートは微妙だが、グラフィックは全体的にキレイ
- サブクエストの会話もぜひ見て欲しい内容だが、強い敵が多いので焦ってやらない方が良い
個別の感想では厳しい意見もいくつか書きましたが、パーティの仲が深まって戦闘にも慣れてくる中盤以降は特に面白く、プレイ後の感触としては大満足です。
昔からのシリーズファンの方も十分満足させられる出来でしょう。
コメント