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『十三機兵防衛圏』ってつまらない?クリア後評価・感想【過大評価?評価が分かれる理由を分析】

※記事には一部アフィリエイト広告が含まれることがあります。

今回は、「十三機兵防衛圏」をクリアしたので、一部つまらないと言われている理由も分析しながらクリア後レビュー・評価をお伝えしていきます!

先に結論からお伝えしておくと、筆者としてはつまらないゲームではありません!ただ、性質的に人を選ぶゲームかもしれないなーとは思いました。その点も説明します。

なんと言っても、シナリオが群を抜いて素晴らしい十三機兵防衛圏。そのシナリオまわりを中心にして、魅力をたっぷり紹介します。もちろんキャラクターやグラフィックなどほかの要素についても触れるので、ぜひ最後までご覧ください♪

この記事はこんな人におすすめ!
  • 噂には聞くゲームだけど実際にどんな内容か知りたい!
  • 何が原因で評価が分かれているのかを知りたい!
  • 自分に合うゲームなのか、面白いポイントを先に知っておきたい
目次

『十三機兵防衛圏』の基本情報

開発元ヴァニラウェア
ジャンルドラマチックアドベンチャー
発売年月日2019年11月28日(スイッチ版:2022年4月14日)
対応機種PlayStation4、ニンテンドースイッチ
DLC無し

ゲームシステムについてはこの後詳しく説明しますが、移動と会話を繰り返すアドベンチャーパートがメインとなっています。

タイトル通り「十三」人の主人公たちが「機兵」を操りながら、未知の敵に立ち向かっていくというSFストーリーです。好評につき、2022年にスイッチ版も発売されました。

ちなみに、2023年12月現在、PS+の対象ソフトであり、エクストラ以上であればサブスクリプションプラン内で課金なしで遊べます。

シナリオが高く評価され、日本ゲーム大賞020の「年間作品部門優秀賞」をはじめ、多くの高評価を得たATLAS+ヴァニラウェアの合同作品です。

クリア時間+トロコン必要時間目安

『十三機兵防衛圏』のクリア時間目安は、35~45時間程度です。駆け足で戦闘に時間をかけない場合、30時間程度でもクリアは可能なようです。

『十三機兵防衛圏』は、ストーリー進行していけばほぼトロフィーも100%が達成できます。なかには「評価全Sクリア」などの一定評価で達成するトロフィーもありますが、難易度を下げても達成が可能です。そのため、トロコン難易度はかなり低めといえるでしょう。

筆者は、戦闘パートのSクリアができなかったため戦闘を何度かやり直ししましたが、それでも52時間でトロコンを達成しました。

あらすじ(知っていたら飛ばしてOK)

人、時間、場所――
複雑に絡み合う、時代を超えた物語

1985年、ある日突然隕石のように飛来してきた「怪獣」

13人の少年少女たちは
「機兵」と呼ばれる巨大ロボットに乗り、

「破滅の運命」に
時を超えて立ち向かう。

『スイッチ版公式サイト』より引用

『十三機兵防衛圏』は、鞍部十郎をはじめとした13人の少年少女がそれぞれのきっかけから住んでいる街を襲う怪獣「ダイモス」と戦う運命を背負うことになった謎を解き明かしていく物語です。

13人はなぜ「機兵」に乗ることになったのか?なぜこの13人なのか?機兵に隠された能力とは?怪獣の正体とは?ダイモスはなぜ街を襲うのか?

物語は1985年に留まらず、過去や未来にも繋がっていきます。物語が進むにつれて重なっていく違和感や、世界の崩壊との関係など、謎が明らかになった時に大きなパズルが完成するような衝撃がプレイヤーを襲うシナリオが魅力の作品です。

『十三機兵防衛圏』は、記憶を消してやりたいゲームとしても有名です。その理由は、ストーリー展開のぶっ飛び具合と、そのまとまり方にあると考えています。

「タイムリープものって結局こうでしょ?」「異なる時代をタイムトラベルして解決していくだけでしょ?」のような、今まで常識だった考えを覆すような展開が楽しめるでしょう。

【基本システム】十三機兵防衛圏を構成する3つのモード

十三機兵防衛圏には3つのモードが存在します。

それぞれ「追想編」「究明編」「崩壊編」と名付けられており、この3つが絡み合うことでゲームの魅力が最大限引き出されるように作られているのが特徴です。

ゲームを構成する3つのモード

  • 追想編:メインとなるアドベンチャーモード
  • 究明編:用語集の確認や今までの振り返りができるモード
  • 崩壊編:シミュレーションゲームを楽しむ戦闘モード

この説明だけではピンとこないと思いますので、各モードの進行についてこの後から詳しく説明していきます。

「追想編」13人の視点で描かれるアドベンチャーパート

「追想編」では13人いる主人公それぞれに用意されたストーリーを読み進めていきます。

読み進めるキャラクターの順番は基本的には自由です。気に入ったキャラクターから進めるもよし、気になる話を一気に終わらせるもよしです。

13人のキャラクターの進行度比率を上げていくのですが、途中進行できなくなるときには、崩壊編の特定ステージのクリアや、他キャラクターのイベント進行などで進行が再開できるものもあります。

操作の基本は移動と会話、選択肢を選ぶのみ。会話の中でヒントとなる単語が出ると操作キャラの思考(クラウドシンク)に追加され、選択肢が増えます。追加された選択肢を使って、ストーリーが進展するような会話へつなげて、シナリオを進行していくのがおおまかな流れです。

「崩壊編」タワーディフェンスの騎兵(ロボット)戦闘パート

崩壊編では、機兵を操って怪獣「ダイモス」と戦闘を行います。13人のなかから攻撃隊として6人を選抜、プレイヤーが時間経過に合わせて操作を選択し、攻め込んでくる怪獣から拠点である「ターミナル」に近づけないように殲滅していくバトルパートです。

アクション要素が強く、後半はかなり難易度も高めに設定されています。しかし、難易度の選択が可能であり、筆者のようなアクション苦手な人は「カジュアル」モードでサクサクと進められるので、崩壊編が原因で進行不能にはなりません

13人は近距離特化型、万能型、遠距離特化型、飛行支援型と分かれており、6人に誰を選ぶのかがカギ。敵にもガードが堅い敵や、手数で押してくる敵などがおり、騎兵ごとに異なる兵装(固有技)があり、相性によって楽勝にも激ムズにも変わる仕様です。

ダイモスの撃破やステージクリアで「メタチップ」と「ミステリーポイント」がもらえます。「メタチップ」は兵装の強化に、「ミステリーポイント」は究明編のワード解放に利用。隠された用語や意味を解き明かしていきます。

「究明編」シーンの回想と用語解説集

『十三機兵防衛圏』には、多くの作中の用語が登場します。究明編は、その用語の意味を確認できたり、情報が整理できたりするパートです。

ストーリーの進行に合わせて、同じワードでも説明がどんどん追加され、そのワードに関連して「どのような事実が判明しているか」も教えてくれるので、途中で話が分からなくなっても確認し直せます。

300もあるワードは、一部がストーリー進行では開きません。その場合は崩壊編で獲得した「ミステリーポイント」を消費して内容を閲覧できるようにします。

また、追想編で登場した特定のシーンも見返せます。シーン振り返りでは、シナリオの主人公だけでなく、関係するキャラクターごとに出来事が整理されているため、時系列や関係が複雑なストーリーを理解しやすいです。

『十三機兵防衛圏』を神ゲーといいそう・おすすめしたい人

おすすめしたい人
  • 考察しがいのある複雑なストーリーが好き
  • アドべンチャーはストーリーを重視している
  • 今までにない斬新なシナリオのゲームがやってみたい

『十三機兵防衛圏』をつまらないといいそうな人

おすすめできない人
  • シンプルで分かりやすい王道ストーリーが好き
  • アドベンチャーで「オープンシナリオじゃない」が受け入れられない!
  • アクションで敵のワンパターン感とか嫌!

【評価&レビュー】各パートごとの感想

「追想編」の評価&レビュー(13人もいるのに混乱しない&パターン化しない)

この「追想編」はなんと言ってもストーリーの構成が見事です。

どの順番で読み進めても矛盾が起きないように作られていますし、ストーリーが理解しにくくなることもありません。キャラクター同士が出会う場面では、2人の各シナリオで同じシーンが別視点から描かれることになり、新しい事実に気づけます。

性格や目的、住んでいる時代も違う13人の主人公を操作していくことで、新しい事実が徐々に明らかになるのです。別のキャラクターシナリオで謎だった点も、背景がしっかりと描かれており納得感があります。13人が別々の軸ではなく、舞台は一つの高校に集約されており、各キャラクターが少しずつ関わっているので、意外なつながりなんかも見えて驚きがありました。

ストーリーの内容上、キャラクターによっては同じシーンを繰り返すことも多いですが、事実が発覚するに連れて内容が変化していくため、驚きもあり、同じシーンへの飽きはありませんでした。

「崩壊編」の評価&レビュー(評価の分かれ目?おまけ程度との意見も)

「崩壊編」は他の2つのモードと全く違い、ひと言でいうとシミュレーションゲームです。合間に展開されるキャラクター同士の会話は、「追想編」とリンクしています。

正直この「崩壊編」については、プレイした人の感想を見ても評価が分かれている部分です。本格的なシミュレーションゲームに慣れている人からすると、ネガティブな意見も多く見られます。

ちなみにこのモードは難易度を下げられる(シナリオやトロフィーに影響はない)ので、時間をかけずに終わらせることも可能です。

筆者的には、技の成長要素に分岐があったり、キャラ固有スキルがあったり、敵も一筋縄ではいかなかったりなど、決して単調とは感じませんでした。

批判的な意見については、このあとまとめて紹介します。

「究明編」の評価&レビュー(ストーリーを深掘りする良いシステム)

  • 「ストーリーが複雑だと途中で分からなくなりそう」
  • 「キャラクターが多くて覚えられないかも」

そんな不安を取り除いてくれるのがこの「究明編」です。

平たく言えば用語集&回想が見られるモードなのですが、説明がものすごく親切でわかりやすいです。

ストーリーの進行に合わせて、同じワードでも説明がどんどん増えていきます。そのワードに関連して「どのような事実が判明しているか」も教えてくれるので、追想編で話が分からなくなっても問題ありません!

また、回想モードではキャラクターごとではなく、そのシーンに関わる全キャラクターの時系列や関係が整理された状態でまとめて確認できます。詳しく説明すると、シナリオで登場した人物たちのストーリーは一覧で並んでいるのですが、そのなかに「誰が主人公の時に、いつの時代、だれがそのシーンには登場したのか」が分かるようになっているんです。

筆者的には本作を楽しむにはなくてはならないモードだと感じました。

【分析】『十三機兵防衛圏』がつまらないと言われそうな要素とは?

ストーリーがとにかく複雑

分かりやすくするシステムは整っていても、13人もおり、時系列や時代もバラバラなためにややこしさを感じる人もいます

特に13人を順番にクリアしていくのではないため、時間が空いてプレイするキャラがいると、「このキャラは前のシナリオで何をやってったっけ?」となることは多々ありました。

また、ネタバレ配慮のため詳しくは避けますが、キャラクターは13人だけではありません。ざっくりといえば13人が中心なのですが、各時代にはキャラが成長した姿や、子どもの姿もあります。しかもそのキャラも別の思考を持っていたり、その時代での別の背景があったりします。

加えて、関わる組織も1つではありません。組織それぞれの思惑があり、それに時代まで別々の要素が入るため、最終的な種明かしをしても相当複雑に絡み合っています。関係を整理するのは相当苦労するかもしれません。

あまりに全体像が壮大過ぎて付いていけない人や、キャラクターの関係が訳が分からずに付いていけなくなった人がつまらないと言っているようです。

対策として、「間を空けずにプレイすること」と「究明編をうまく使うこと」をおすすめします。

エンディングに面白みを感じない

本作はストーリー分岐が多数あるものの、最終的な結末は1つしか用意されていません。アドベンチャーの醍醐味は、ストーリーをしっかりと楽しめることです。アドベンチャー=分岐があるシナリオと考える人は多いかもしれません。

しかし、複雑に展開した割には最後の着地が決まっています。そのため、アドベンチャーの定番であるオープンシナリオを期待しているとガッカリしている人もいるようです。

とはいえ、それまでの過程で分岐ポイントを探したり、新しい情報を見つけたりする楽しさはあります。ストーリー自体が単調でつまらないわけではありません

あわせて、エンディング内容自体も意見が分かれています。「壮大な風呂敷を広げた割には…」のような理由で、最終的な評価が下がった人もいるようです。

横スクロールが基本で少し古さを感じる

昨今の主流は3Dです。さらに、3Dのなかでも等身大のキャラが増えていますよね。どれだけ没入感を高めるかにこだわりがあり、リアルなグラフィックを追求する作品が多い印象です。

そんな中で本作の「追想編」は2Dで常に展開します。キャラクターの立ち絵が動くようになっていますが、薄い紙が前後するような描き方です。

キャラの立体感もあまりなく、例えるなら昔の紙芝居を動かしているような錯覚に捉われます。独特なキャラクターデザインが気に入らない人は、単調な動きが昔のUIと感じるかもしれません。

また、登場するシーンや背景も結構限られています。豊富なステージや、グラフィックの変化を求める人も飽きる可能性はあるかもしれませんね。

「悲壮なシナリオ」を望む人にとっては中途半端かも

『十三機兵防衛圏』の世界観は、かなり退廃的です。PVでも瓦礫の街や、戦争の跡、機兵による巨大な敵との戦闘など、絶望的な雰囲気が漂っています。

昨今は、ハッピーエンドではないシナリオを好む人も増えているでしょう。特に、本作のような世界観であれば、生死を分けるような場面も多くあり、救いのない結末が自然と感じるかもしれません。

しかし、『十三機兵防衛圏』の根底には「絶望的な運命に抗う若者たちのボーイミーツガール青春物語」があると筆者は思っています。ですので、そういった悲壮感のあるシナリオを求める人にはつまらない展開といえるかもしれませんね。

逆に運命に抗う胸アツな展開が好きな人は、楽しんでプレイできると思います。

「崩壊編」がおまけ程度に感じられてつまらない

タワーディフェンスシミュレーションである「崩壊編」への不満は、特にゲームをやり慣れている人が抱いているようです。

不満内容は以下のとおりです。

「崩壊編」の不満意見
  • 敵の種類が少なく、引き延ばし感がある
  • ステージ自体に差がないので飽きる
  • キャラクター性能にあまり違いがない

敵である「D」には、10種類以下しかありません。大きく分けると飛行型、自爆型、敵を増やすキャリア型、戦闘特化型、遠距離攻撃型のような感じです。

しかし、ステージ数は30以上あります。クリア時点で25ステージは必須です。そのため、ステージのバリエーションが「敵の量が前ステージより増加」、「敵の体力が増加」程度しかありません。

ステージの舞台も、ディフェンスするタワーと街に差はなく、引き延ばし感があると言われれば確かに納得するところではあります。

キャラクター性能は、スイッチ版発売と同時にアップデートされ、固有技が付加されました。Ⅰ型からⅣ型まであるので、筆者的にはバリエーションがないとは思いませんでしたね。ただ、確かに機兵同士で技が被っているものもあったのは事実です。

崩壊編のつまらなさについては、筆者は全く感じていませんでした。各機兵だけでなく、タワー自体にもレベリングがあり、成長すると戦闘が楽になります。また、レベルが上がると技とは別に戦闘補助となる固有スキルもキャラクターごとに覚えるので、成長要素もあると思いました。

筆者のような普段シミュレーションをあまりやらない人なら十分楽しめる内容ではないでしょうか。

【評価おまけ】十三機兵防衛圏のその他要素の感想

ここからは、この記事でまだ触れていない部分を補足します。

その他の要素
  • キャラクター
  • 音楽
  • グラフィック

これらについて感想と評価を書いていきます。

キャラクター

思わず応援したくなるキャラクターが多いです。それだけ一人一人の人間に魅力を感じました。

主人公だけで13人いるので登場人物はかなり多いのですが、それぞれの個性がかなり強いので、プレイするうちに名前と顔は覚えられるはずです。

時には恋愛的な要素もあったりして、キャラクター同士の関係を考えるのも楽しいです。

音楽

世界観や雰囲気に合っている曲がとても多かったです。

激しく主張するような曲は少なく、シナリオのよさを引き立ててくれるような音楽でした。

「縁の下の力持ち」といった感じですね。

グラフィック

背景や機兵のデザインがかなり作り込まれています。

ロボットアニメが好きな方は「究明編」で描かれている機兵のデザインを見るだけでも楽しめると思います。

キャラクターは表情がとても豊かで、細かい表現もされています。

イラストに描かれたキャラクターは少しクセの強いデザインですが、実際にプレイするとかわいい印象が強いですね。

十三機兵防衛圏の評価・感想まとめ

最後に、十三機兵防衛圏の個人的評価を簡単にまとめます。

おすすめポイント
  • 「追想編」のシナリオがとにかく素晴らしい
  • 「究明編」で用語を見返せば、話が分からなくなっても安心
  • 「崩壊編」は微妙だったが、難易度を下げればすぐ終わる
  • キャラクター・音楽・グラフィックはいずれも高レベル

「崩落編」のシミュレーション部分の作りが惜しいですが、もしシミュレーション部分が気に入らなかったとしてもシナリオ部分で十分お釣りが来ます。

歴史に残すべきアドベンチャーゲームの傑作であることは間違いないですね。

ネタバレを見てしまうと面白さが半減するゲームなので、この記事を見ているあなたはネタバレ記事に当たる前にプレイを始めてみてはいかがでしょうか?

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